すべては感謝から 近野兼史ホームページ

Line

思い出

Line

近野兼史について

歩み

想い

人生四季折々の記

近野教育財団

トップページへ

水墨画・小林東雲の世界

映像制作・HP制作VIC

お客様の為に店はある

かくだい食品昭和32年オープンした「かくだい食品」。
「かくだいは十万市民の台所」という標語は、多くのお客様から愛され続けました。

●お客様は王様である

 昭和32年ささやかな食料品店を開店させて頂いてから、世の中の移り変わりはまことに急で大きな転換を迫られ、終戦後のすさまじい復興、経済の飛躍的な成長、周囲の環境は止まることなくめまぐるしい変化を遂げてきました。

 「それはお客様に喜ばれるかどうか」これは商人としての父が生前私に教えてくれた言葉です。お客様に支持されるか、お客様のためになるかという信念は常に父の信条の中にありました。小売店の繁盛はその店がお客様との間に心の結びつきをどれほど深くつくり得るかによって決まっていきます。誠実な、正直な、温かな人間の心を商人に求めているのです。

 ようやくセルフサービス店が現れ、今日見られるような大規模店もまだ幼年期の頃でした。「かくだい食品」では、お客様とのお気持ちにつなぐチラシを心がけました。多くのお客様から熱烈なる激励のお言葉に添えて、小さな店にとっての指針となるべき提言と励ましをいただいたのです。

「かくだいは十万市民の台所」
「かくだいが結ぶ産地と台所」
「かくだいがあって家計簿息をつき」
「かくだいの良くてうまくて安い品」

 全従業員の心に深く刻まれ、店の宣伝、広告に至るまで明示して基本方針として持ち続けました。明日へ向かっての希望と働く事の喜びを与えて頂いたことで「お店というものはお客様の為にある」という実感を従業員共々感じ入ったのです。私たちの企業が発展していく原動力になったのは言うまでもありません。

かくだい食品 かくだい食品

●商人の道とは

 一人のお客様の喜びのために誠実を尽くし、一人のお客様の生活を守るために利害を忘れる。そして、その人間としての美しさを小売店経営の姿にしたい。お客様との間にそういう親愛の流れを作る事が、小売店経営での一番大事な仕事であると信じてきました。

 その日その日の経営の苦しさに耐え、わずかな利潤でお客様の望みを叶えてあげ、わが生涯を一商人として惜しみなく使いきれるのは、たった一つ「お客様の為に私はある」との自覚と誇りからで、商人としての生きがいを持ったのです。

●人間としての商人の理念

 成功する商店の経営理念づくりは商売の目標の設定、課題と方針、行動基準づくり、そして店主、または人間としての在り方とを結びつけなければ、うまくゆきません。本質は人間への愛情です。商売と人間とが密接不可分の関係が、小売業やサービス業の特質なのです。